2013年6月30日日曜日

6月30日 (吉)

6月30日(日)


先々週わかったことだが、稽古あとのブログは、気が進まない。
意識が外交的になってゆかない…

恋愛相談所という場所を舞台にした公演なので、
恋愛について得意気に語っているHow to Bookなども、いちおう目を通しました。
あの手の、気に食わないBOOKたちに書かれてある、恋愛云々について、
すこしばかりは、調べてみたのです。
調べた、というかな…  
たんなる関心、というか、興味の程度?
でも、興味あるのかな自分…

それらを読んでみて、ビックリだったのが、
好きな相手には「今日こんなことがあったよ」とか話すらしい。
これは、
ねえねえ聞いて聞いて、と自然と話したくなるということなのかな。

でも、これって、好きな相手に限らず、
そういうことを話すこと自体が、ふつうのことじゃないの?

ところが、 
今日の出来事を内発的に誰かに発したい。そういう感覚自体が僕はマヒっている。
今日こんなことがあった、と自発的に相手に話すことが、ない。
たぶん、相手に聞かれない限り、そういう発想にゆかない。
そのセンスに欠けている。欠落している。
料理もおなじである。
「おいしい?」と聞かれなければ、僕から味についての感想は発せられない。
基本的には、僕は食事を楽しんでいないほうなので、まずそうな顔をして食べる。

さ。前置きが長くなりましたが、
今日報告がふつうのことと認識してはいても、
実践してないという、、、そういうところに、稽古後のブログ。
ここまで書いても、思考が外交的になれない。うーむ。


さて。
今日の稽古、、、
自分が書いたものを、自分で演出してゆきますので、
「職能」というものが、いま、とても気になります。

書き手は、イメージをもって台本を書き、
演出は、書かれたものからイメージを作り上げてゆくものです。

この両者は、
演劇に限らず映画やドラマの現場において、
多くの現場では、喧嘩が勃発する作業かと思う。
やいのやいの言い合いながら、お互いのイメージを摺り合わせたりするのかもしれませんが、
相手のイメージが気に入らない、というのがヒトの本音じゃないでしょうか。
(でも他者と取り組めば、助けられもするし、自分のカラーみたいなものを引き出してもらえたりする。集団作業万歳)

もちろん、ふたつの作業をひとりで兼ねるのだから、いま、喧嘩なんか起きるはずはなく、
起きるとすれば「書いたものを具現化する自分の筋力の足りなさ」にチカラなく笑ってみる。そんな程度かと。

台本に対してキャストに半畳を入れられたりすることもあるでしょうが、
そういった指摘を受けながら、稽古場では、
自分の中でわかった積もりになってた事柄に気がつかせてもらっていると思われます。

自分だけでわかったつもりになって、
つい観る人を置き去りにするような始末に至るってことを回避してくれています。

誰しも、自分については眼が曇るものです。
相手のいうイメージは、キチンと聞こう聞こう。

けれど、
そればかりでもダメと思う。僕は。
たとえば食事。「おいしい」とか「おいしくない」とかお互いの感想がそろったとき、
だからといって、おなじ味を共有していると思わないほうがいいだろ、って考えます。
日常ではそんなふうにイチイチ考えませんが、
創作領域では「おいしい」がつねに一緒とは考えないほうがいい。
「好きな味なんてものは実に個別なものでしょ」
いっそ、このくらい冷淡なキモチになっていい。

今回公演は、もちろん笑うような作品なので、
稽古中にお互いに笑い合えていれば、
それはそれで共感覚なのでしょうから、まずは良いのでしょうが、
そこの「笑い」に、
僕は、あなたのテイストが見たい。人とちがうあなたが。
あなたというヒトらしさを見たいなって思う。

社会の価値基準、美意識だって、
みんなとおなじ、というところばかりでホッとして、どうするの。

ちがっていればいい、というわけでもないけれど、
それに、社会生活をしている限りは、人とおなじであろうと努力もするのだけれど、
あなたの意味は、人とちがうところにある。そうは思いませんか。
あなたという人間の意味が、人とおなじところにあるのであれば、あなたはいったいなに?

その、ちがいという味を、ちゃんと自分で演出する際にも気がつけるとよいのですが。
台本を書く際に、自分を誤魔化したところは、かならず役者に半畳入れられますよ。

やはり、 自分の見方や考え方をこらしめてみる、という点では、
演出作業も書き行為も、おなじかもしれませんね。

ところで、いま、
自分のその台本は、キャストのこころを涌き立たせていますか。
その台詞や状況は、演技意欲のそそられるものですか。
あなたらしい着眼点ありますか。

表面ばかりに意識がまわってやしませんか。


本日の21:30に稽古を終え、その後アレコレあって、
ブログアップのリミットに間に合わせようとして、こんな垂れ流し文章です。
もしかしたら、
理屈と実践のバランスが保てていないから、こんなふうなことを書くのかもしれませんね。

稽古は約一ヶ月あります。


ヨシダ



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